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6 MOT(技術経営)とMIT、理系のMBA 2

前回すこしご説明したMOT(Management of Technology)ですが、技術立国ニッポンとして絶対に必要な考え方だと思うので、理系、技術者の方に是非お勧めしたい、ということもあり、第二回目に続けました。

日本は長年その技術面での国際競争力はトップクラスにありますが、トータルでの国際競争力は年々下がってきています。この国際競争力指標にはいろいろな要因が絡み合っていますが、日本がその高い技術力を活かしきっていない、商品化、実用化できていない、ということも一因と言えるでしょう。技術経営はこのギャップを埋める為の考え方です。すごく簡単に言えば、技術者は「良いものを作ろう」となりがちですが、マーケティングの考え方も学んで「売れるもの、(皆が)欲しいものを作ろう」という考え方を持って技術開発にのぞんでいく、ということです。

実は(というかやはり)この技術マネジメントの考え方はアメリカ生まれです。スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学が大学院レベルでMOTプログラムを提供しています。ただ、留学生にとっては現時点では企業派遣でないと入学できず、また入学自体も狭き門となっています。その点はオーストラリアの各大学はオープンになっていますからどんどんチャレンジして頂きたいと思います。是非オーストラリアでMOTを学び、英語とビジネス感覚にも精通し、国際感覚もあるエンジニアを目指していただければ、と切に願います。そしてそういう人が増えれば今世紀の日本の競争力も決して悲観することはないと信じています。

MOTのお勧め大学はニューサウスウェールズ大学、シドニー工科大学、グリフィス大学、クイーンズランド工科大学、クイーンズランド大学、カーティン工科大学となります。

それから、MOTのTをITに置き換え、情報技術経営と和訳されてるのでしょうか?ITのマネジメントの事ですが、これは概ね2つに分かれます。一つは情報技術を活用した経営活動、もうひとつはMOTに順ずるように情報技術に適応した組織開発についてで、通常コースではその両面から学んでいきます。MOTのコースの中にもこのITマネジメントは少なからず入ってきますが、このコースのプログラムはITのマネジメントに特化したものとなります。ITの活用についてトップレベルにあるオーストラリアならではの大学院、と言えると思います。お勧めはシドニー大学です。